建材開発

2006/03/02

再会で「出会い」を学ぶ

先日、本庄のカツデンアーキテックさんの工場を訪問。
この会社は、デザインの良いスチール製の室内リビング階段を製造しているメーカーです。

同社の坂田社長とは数年前に上海、成都のツアーで知り合いました。
私が転職したことだし、挨拶にと思い同社を訪れると、商品企画部のスタッフの方々が歓待してくれて、とても感激しました。

その日はショールームを見せてもらいました。
階段の種類や手摺の種類とかデザイン、開発の経緯などを聞いて、あらためてその技術と開発の歴史における奥深さを思い知りました。

そして坂田社長とは、2年ぶりに再会。

「こんなのどう思う?」
「あれはどうなった?」
等など、色々とご自分の事業に対する思いを語ってくれました。

工場をたくさん持ち、立派な会社です。だけども、そんな立派な会社の社長だからと言って、決して偉そうにしない、兄貴のような方です。私のしゃべる情報でも、一生懸命に聞いてくれて、「そうだよ、うんうん」と共感してくれます。

後から商品企画部の方に聞いたところ、坂田社長は私のことをずっと気にしていてくれたそうです。
「奴が来たら、なんとかしてやるように・・・」
と言ってくれていたそうです。

正直、私の方は挨拶もそこそこに、この2年間を過ごして来ました。


そして、転職の際にも特別に挨拶もすることなく、社長に対してはまったくと言って良いほど、コミュニケーションのフォローもしていませんでした(しかし、商品のリリースなどは常に面白い商品を作るので、必ず記事で掲載していましたが・・)。

「人が思っていることと、自分の思っていることとは意外と違うものだ」ということに気付かされました。
こんなに大切に思われていたんだ・・・と気付くことの、体験でした。

人と人との出会いは、やっぱりそれぞれに意味があるものだし、大切にしていかなければならないと、改めて勉強した次第です。


ちなみに2年前の中国では、坂田社長に「乾杯の儀式」として強い酒を飲まされて、「社長、怖いですよ~」とか言ったことを思い出し、「社長は怖いからなあ・・・」とか冗談で企画部の方に言いました。

そしたら「『俺は怖くないよ』と言っていましたよ」と伝言されました。

ごめんなさい~!意外とそれがトラウマだったのかもしれません(笑)

でもまた東京で飲みましょうね♪
電話まってまーす。

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2006/02/13

特殊ニーズの価値

とある開口部メーカーA社の話。

商品として特徴が、同業他社と殆ど変わらないこと。
売り先市場がダブり、一社を指名してもらうだけのオリジナリティが商品にはないこと。

よって、その商品を選んでもらうための決定的要因は、「価格」ということになってしまう。

ああ、メーカーの永遠の課題なんですね、コストと、差別化。


でもって、そのコストと差別化の課題を突きつけられたメーカーはどういう対策を行うのでしょうか。
その対策は、大きく分けて、「業務提携」と「撤退」の二択であるということが、最近の住宅業界の流れのようです。

ただ、第3の道が、あるのかもしれません。
それが、A社の新商品開発のサイクルから読み取ることが出来ます。

A社の商品開発サイクルは、年に一回。そして主力商品を3つ程度に絞り込んでいます。

量産型のメーカーの主力商品は分野別に複数種類ありますが、A社ではそれらの分野別商品を他社ブランドと統合し、生産工場の縮小と先鋭化、同時に生産コストの低減を図っています。

A社の数少ない主力商品は同業他社の類似製品と比較してコスト高であり、同時に使用するチャネルも限定されたものになっています。それだけに、この付加価値商品の販路の発見は、同社のマーケティング戦略の真価が問われるということが言えるのかもしれません。

「戸建て住宅、大型建築物、鉄筋鉄骨・・・そうしたカテゴライズ自体が今の時代、あまり意味がないのでは。商品の付加価値を決めるのは、建物の範疇ではなく、その使用用途という観点が重要なのではないか」

私はA社の担当者とそんな話をしました。

建物の使用用途とは、例えば誰が何人住んでいるのかということだったり、建物の範疇に関わらず、そこの住民や建物の管理者がどんな性能を建物に対して欲しているのか、といったことです。そうした調査こそ、今後のメーカーが行うべき商品マーケティングには必要なのではないか・・・・

コストと差別化とは無縁の、ダイレクトマーケティング。
これは、換言すると、「特殊ニーズ」とも呼ばれていた分野であるかもしれません。

しかし、市場自体が押しなべて「特殊ニーズ」化されていくなかで、残った差別化市場においてコスト競争で勝てるのは一部の大メーカーのみです。

メーカーの開発思想とマーケティング能力がかみ合うことで、ヒット商品が生まれる・・・・
今後はそんな住宅市場になってくのでは、とA社訪問後、思っている次第です。


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2005/06/30

文学建築について②

商品開発のきっかけが、愛する人のためであったら・・・・
最近、そんな素晴らしい開発コンセプトの商品を知ることになりました。

「この人だけは守りたい」そんな衝動からビジネスを開始する―考えて見れば、住宅建材の世界には、そんなドラマが少ないような気がします。柱・梁・フロア・外壁・屋根・・・どれもこれも、今や職人の心なんて微塵も感じないものばかりです。

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2005/03/21

「ゴミ」が商品に

近所の庭に植えてある梨の木を使って小さな障子を作ったら、大変に喜ばれたという話を、先日、ある建具屋さんから聞きました。梨の木を処分しようとしていた人は、その他にも庭にある木々をゴミとして扱っていたのだが、まさか新品の建具になるとは思っていなかったようで、随分と感心したそうです。

建具屋さんは、ご存知のように襖とか障子、ドア、欄間などを作る人たちですが、最近は和室の減少・真壁の減少によって、活躍の場が少なくなっている業種です。また、ドアなども建材メーカールートの方が主流となってしまい、建具屋さんからの提案はよほどの営業力がない限り、採用されるのは難しくなっていきました。

しかし、地域の材料と技術で家を建てたり、家をメンテナンスしたりといったことが、何となく既成の住宅作りに飽きた人々によって見直されようともしています。

「色々なインテリア雑誌とか建築家のおしゃれな本が売っているが、建具の素晴らしさを分かってもらう雑誌と本は売ってないものね。何とか、売れないものなのかな」その建具屋さんは私にそう言いました。

そして、そういう思いを持っている若い建具屋さんは、きっとどこかにいるはずだ、とも付け加えました。
「そういう人たちを探して、結びつけていくのが、これからの君の仕事だと思うよ」
と言われて、ふむふむと共感。

意外と一般の人々が知らない、木の活用方法を、建具屋さんはその経験で知っています。
「まさか梨の木でこんな障子ができるなんて・・」それだけでも、百言を有する営業トークよりも、説得力があると思いました。

数多くのアイデアや発想を集めれば、きっと建具職人によるオリジナル商品集ができるかもしれない。
果たして、どんなものができるのか。早速編集部内に諮ってみることにします。


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2005/03/05

「ババ」

もしかすると、我々は「ババ抜き」をしているのかもしれません。

住宅業界ではパワーゲームと名の付く「ババ抜き」トランプに興じ、短期的に金にならないことには、まったく興味は示さないという経営者が、大変に多いことに気付かされます。

それは、中小の住宅関連企業の多くが、一族による経営であるということが、一番の原因であると私は確信しています。

一族・自己繁栄・・これが「組織の目的」となり、企業のカラーとなります。
こうした企業には代々受け継がれた資産があります。その資産があるから、信用が生まれます。
しかしその信用は、社会的な信用というよりも、個人的な信用となります。本当は、色々なところから軽蔑や嫉妬も受けるが、何せ力を持っているので、人々はみんな言うことを聞きます。

自己繁栄に優れた経営者、これが日本の住宅業界における「勝ち組」です。これにはきっと、例外はないと思います。自己繁栄は必ず、その企業に富をもたらします。

しかし、こんなもの、その世界だけのことであって、日本の生活者にとっては何の関係もないことです。
富と信用を築くためには、例えばメーカーにしろ流通にしろ工務店にしろ、「人より安く仕入れて、人より大量に売る」ことを日常的に徹底すれば、よほどの低能の経営者でなければ、いとも簡単に富は築き上げることができるでしょう。

しかし、そのようにして自己繁栄によって築かれた富は、ゆがんだ日本の住宅の世界を間接的に作り上げていると言えます。

先回、、大手ハウスメーカーのことを記しましたが、彼らの方がむしろパブリックな企業体としてのイメージを大切にしています。彼ら大手が「地域のブランド」を笑う(失礼・・!)のは、それらのブランド理念が、実は哲学も思想も無い、ただの自己繁栄ブランドだと見抜いていることを意味しています。だから、彼らはそうした自己繁栄システムには、何の恐怖感も感じていません。

その一方で、“自己繁栄向上コンサル会社”などは、「入れば必ず純利益30%は取れる住宅FC」とか「100万円の投資で必ず受注が取れる●×パッケージ」とか、色々なものを手を変え品を変え、自己繁栄経営者に売りつけてきます。そうして手に入れた「ババ」を、利益を上乗せして次の自己繁栄企業に売り付ける、さらに、次へと・・・。
ババ抜きのようにして陳腐化した自己繁栄ツールの多くは、工務店の机の中や流通店の棚の中に眠っています。

商売上手だと評価される企業は、「ババ」をうまく処分した企業となるわけです。いわゆる、「売りぬけ」ってやつですね。だから、スピードが求められるわけです。「ババ」はすぐ陳腐化してしまうから、スピード・機動力が勝負なのです。だから、決定が早く、決断が早い経営者が、最も評価されるという構図です。

しかし、よく考えると、こんなことをしてどうしようと言うのか。

「日本の住宅をよくするためには、どうするか」
「日本の建材を、国際的な健康・安全基準のスタンダードにして行こう」
「日本の建材を、どのようにして資源循環社会に対応できるものにするか」

こんなことは、現在の自己繁栄企業は、本気でなんか絶対に考えていません。

では、「粗利30%保証、絶対に儲かる住宅システム」などという「ババ」を、仮に工務店がうまく売りぬけるとしたら、誰に対して売りぬけるのでしょうか。その答えは、もはや明確ですね。そうです、我々消費者に他なりません。

我々は「ババ」を掴まされるわけです。

ただ、フォローするわけでは無いですが、百歩譲って、その「ババ」とて、一応プロがしっかり作ったものであれば、安心して住めることができます。

しかし、実際はどうでしょうか。外壁は、どうですか。屋根材は、50年以上持ちますか?サッシは、取替えが効きますか?内装ドアは?フロアは?・・・・・

コストダウンにコストダウンを重ね、そのコストダウンを行った分だけ利ざやが抜かれて「ババ」となった建材の寄せ集めによって建てられた家に対し、我々は人生を賭けてナケナシノ金を支払って、一生を終えるのです。


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2005/02/26

シックハウス対策色々

今日はあるNPOの新事業の記者発表で午後から横浜へ。

シックハウス症候群対策として、「TVOC測定」を破格の値段で行うNPO組織が業務を開始するとの発表でした。
詳細は住宅ジャーナル3月号に掲載いたしますが、ポイントは、「TVOC測定への“挑戦者求む”」的な面白さがあることが、特徴だと思いました。

引き続き、化学物質を吸着分解する製品を製造するメーカーさんを、同業の記者さんの紹介で面談取材。
この製品は、化繊業界では消臭・抗菌作用の認定を取得しているもので(これも住宅ジャーナル3月号にて・・)、なんとTVOCの低減に効果があることが、複数の現場の測定によって証明されているものでした。

次年度はトルエン・キシレン規制が見送られる情勢ですが、民間の対策商品は「あやしい」とか「嘘みたい」と揶揄されながらも、それぞれの企業の継続的な努力がようやくここに来て商売に結びついてきているなあ、というのが率直な感想です。

「対策商品の良さをいくらアピールしても、怪しまれるだけ。だから、我々は徹底的に引渡前の空気室測定の数値にこだわっています。しかも、それはTVOCの54物質の化学物質データを、すべて分析結果として提出することで、効果を証明しています」と、そのメーカーの方は仰っています。

「対策商品は『宗教』ではないので、唯一絶対のものなどあり得ない。良い数値が出れば、どんな対策商品だろうと、併用して使っても良いと思うのです」

色々なシックハウス対策の団体が存在するが、今回取材したNPO、ならびに対策商品メーカーは地域限定、現場実証主義によって地に足が付いた活動をしていると、思いました。活動範囲と内容も「引渡前測定」のみに限定しており、ハウスメーカーや工務店にとっては「自分のブランドの建築物がどのような状態なのかを知りたい」というニーズには、十分に応えられる価格と手法によって、今後大化けする可能性もあり、などと思っています。

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